ゲコーです。
年末も押し迫ってくると(執筆時は2023年12月)、なにやら怪しげなメールが次から次へと迷惑フォルダに放り込まれてきます。
たぶん過去に、いろいろなFX系のサインツールやらなんやらを購入した経歴があるので、そのときの登録アドレスがいわゆる「カモリスト」に掲載されているからなのだと思います。
いまではEA開発者として、そういった類のオファーに対する「見る目」がある程度養われていると思われるので、昔のFX初心者の頃を懐かしむ感じで迷惑メールの山を眺めることができています。
そう。初心者の頃は、このような迷惑メールの山を開いては「わくわく」「どきどき」して億を稼ぐ夢を見ていたものでした。
そんな自戒を込めて、今回は「FX基礎講座」のひとつの締めとして、初心者が見極めるべき高額FXツールについて書いてみたいと思います。
見極めポイント
高額ツールのなにを見極めるのか、なのですが、まずは高額ツールや教材の大まかな特徴を挙げてみましょう。
- メール内のリンクURLをクリックするときらびやかなページや動画&コメント欄が表示される
- メール本文やリンク先のページではLINE登録を促される
- 数日に分けて5話程度の動画に誘導され、コメント欄にはカモたちの「これが最後の希望です」のようなコメント多数
- 紹介されるサインツールでは、一撃〇百万円のようなチャート切り抜き画像がある
- 紹介されるEAのバックテストは複利運用の画像が多数
- サインツールもEAも、提示される価格はゴゴジャンで販売されている一般的な商品価格の10倍以上
なお、こういった特徴のFXツールや教材がいいか悪いかはなんともいえません。
これらはある種のマーケティング戦略なので、アリといえばアリだからです。
大事なのは、提示された商品を提示された価格で購入するのは「納得できる選択」なのか、「カモになった結果」なのかということです。
以下、それぞれについて解説していきます。
リンク先は豪華ページか動画ページ
メールで興味を引き付けて特定のページに誘導するマーケティングの王道的手法です。
この手法そのものに問題はありません。
大事なのは誘導されたページや動画の「質」です。
こういったページは「ランディングページ(LP)」といいますが、作りこんでいればいるほどページ制作費は高額になります。
とても豪華できらびやかで、あの手この手の「証拠画像」「実績画像」「感想やコメント」、夢のような「セールスコピー」などなど、さまざまなコピーライティング手法を駆使して製作したLPです。
数十万円などといった金額では技術者も請け負ってくれないと推察されます。
動画もまた同様です。
視聴者を引き付け、わくわくさせ、希望を持たせるような構成を作り上げ演者を雇い、ストーリーに沿って撮影していくには、それなりの出費が必要になるでしょう。
つまり、質が良ければいいほど経費が掛かりその分が商品の値段に反映されてくることになります。
LINE登録を促される
これは顧客の「囲い込み」という手法のひとつです。
私のメルマガ登録を促すのも囲い込みそのものです。
まあ、私の場合メルマガ内でEA売り込みはしていないので、なんで囲い込みしているのがイマイチわからないのですが。
あ、ひとつだけ、2023年に1回「EA開発塾」の紹介をしていました。
(メルマガならではの公開しにくい情報を発信しているので興味あればメルマガ登録してください)
それはそれとして、LINEはメールのようにセーフィティーアドレスを何個も作れないため、顧客情報として価値が高いのではないでしょうか?
なんにせよ、LINE登録までしてくれる顧客は、商品に対する興味がかなり高いと見込まれるのでより「売りやすく」なってきます。
また(あまり詳しくはないのですが)、オプチャなるものでグループを作っているのかもしれません。
LINE登録までして内容を確認していないので囲い込み以外の情報はわかりません。
5話程度の動画とカモのようなコメント
マーケティング戦略のひとつとして、動画をつかったプロモーションがあります。
動画プロモーションには決まった流れがあります。
視聴者の興味・関心を引くところから始まり、信頼性を高めていって、商品の提案をし、希少性・限定性を醸し出すことによって購入を促すように締めくくります。
この一連の流れを5話程度の動画構成にして、1話1話ごとに視聴者にコメントを求めていきます。
このコメントがなかなか有効なようで、ある程度サクラを仕込んでいる可能性もありますが、動画に対する期待感や現実を打破したい悲痛な叫びが続々と書き込まれていきます。
このようなコメント欄を眺めていると、ある種の集団催眠のような効果でも醸し出される感じがしてきます。
この熱に浮かされた人たちが、最終的に購買者となってしまうのかもしれません。
ツールの紹介画像
動画やきらびやかなセールスページ(LP)には、ツールなり教材なりEAなりの実績を証明する画像が添付されています。
たとえば、以下のような画像。
これは「買い」エントリーをして20ピプスの値幅で決済した例ですが、これに合うようなテクニカルインジケータを組み合わせたサインツールなんて簡単に作れちゃうわけです。
ゴゴジャンのツールでカンタンに矢印ツールはできちゃいます。
https://www.gogojungle.co.jp/tools/indicators/7561
こちらのページによると1か月版なんて2千円以下で購入できます。
値幅20ピプスも、ロット数を変えれば金額換算で200円にもできますし200万円にもできちゃいます。
つまり実績画像はいくらでも「盛れる」ことになります。
次の例えはこちらのスマホ画像。
これは私がある自作EAをハイリスクハイリターン型にアレンジしたフォワードで、5万円の証拠金が19万4千80円になった「実績」です。
これだけみれば、
「5万円が半月で約20万円!!スゲ~」
となるかもしれません。
しかしあくまでもハイリスクな運用なため、次の月には破綻する可能性もあるわけです。
このリスクをあえて表に出さず、ハイりたーんのみを強調した場合、夢を見て高額商品を購入したうえに、大事な投資資金まですべて破綻させてしまうといった悲惨な目に合う方々が続出する可能性も出てきます。
ここで大切なことは、その「実績」画像がどんなものであれ、客観的なデータに基づいて商品の特性が明示されているかどうか、なのです。
サインツールなら、EA化したときのデータがあるか。EA化できないなら、実際のトレード履歴がチャート画像とともに数年分公表されているか。
EAなら、バックテストデータがあるか、などなどチェック項目が掲載されているか。
参考記事:チェックすべき5項目
きらびやかなセールスページにあおられることなく、冷静に商品のデータを評価していきたいものです。
商品価格は高額案件
最後の項目は、商品の価格です。
これは、高額だからいいものであるとか、高額なものはあやしいものである、というくくりかたはできないという意味です。
たとえばブランドバックなどは高額ですよね。
これはブランド力に価格がついてくるのはもちろんですが、そのブランド力がつくまでに至る顧客の満足度の高さと継続性に価値があるのだと思います。
顧客がその商品に満足しなければ、その満足が多くの顧客に浸透しなければ、そのブランドそのものに魅力を感じてくれないからです。
ひるがえってFXに関するツールなどはどうでしょう。
サインツールにしてもEAにしても、顧客は利益を上げられるかどうか、が判断材料になります。
しかしFXはあくまでも投資なので、その商品が「将来的に」利益を上げてくれる保証はありません。
「必ず元手の資金を100倍にするEA]
があればたとえ高額でも借金までして購入する価値があるかもしれませんが、そもそもそんなEAは手間ひまかけてセールスかけなくても開発者が自分で使うだけで億を稼げてしまうでしょう。
なので商品の価格が購入するにも合う価値があるかどうかは、やはり客観的データから判断すべきだと思います。
EAのバックテストはあるのか、それは複利ではなく単利なのか、スプレッドは適正か、などなど判断材料はいくらでもあります。
あおられて購入するのではなく、冷静に分析して判断することが自己資金を守る第一歩だと思います。