ゲコーです。
FXのシステムトレードをするときには、エキスパートアドバイザー(EA)という
メタトレーダー上で働くソフトウエアの運用が必要になります。
EAには有料・無料さまざまなものがありますが、
どのEAを使うにしても大切な資金の運用を任せるわけですから、
その性能を見極めなければいけません。
もちろん、FXは「投資」なので、
絶対に安全なEAなどあり得ませんが、
確率的に少しでも有料と思えるものを選ぶことになります。
今回は、EAを選ぶ上でのチェックすべき5つの項目について解説していこうと思います。
その1 バックテスト
FXは為替相場の中での取引ですので、EAが実際に通用するかわかりません。
しかしメタトレーダーにはバックテスト機能がついているため、
過去の為替データを用いてEAの性能を確認することができます。
そうです。
まず第一に確認すべきことは、バックテストデータです。
世の中には超高額なEAが派手なプロモーションで販売されています。
そのEAが優れているかどうかはバックテストがなければ判断できません。
バックテストがないEAは比較検討の価値がないといってもいいくらいです。
まずはバックテストの有無を確認しましょう。
その2 バックテスト期間
バックテストがあるからと言って安心してはいけません。
バックテスト期間は最低でも10年間は必要です。
過去の為替相場には、荒れている時期もあれば安定した時期もあります。
仮にEAの成績が「荒れている3年間のみ」優秀で、「安定している10年間」で悪化していたらどうでしょうか?
次の例を見てください。
あるテストEAのデータです。
そこそこよさそうな成績を収めていますよね。
実はこのバックテストデータも同じEAなんです。
ただテスト期間のみが違います。
前者は2007年~2010年、後者は2011年~2021年のテスト期間なんです。
仮に前者だけのデータを見せて
「このEAを50万円で販売します!!!!」
なんていうプロモーションをかけたら何人かは購入してしまうかもしれないですよね。
しかし、
「テスト期間が直近10年間は含まれているか?」
これを確認するだけでヤバイEAに引っかかりにくくなるわけです。
その3 スプレッドは適正か?
期間が直近10年以上のバックテストがあったとしましょう。
トレード回数も10年で800回以上あれば、統計学的にそこそこ信頼性も高まってきます。
しかしまだチェックするところがあります。
それはスプレッドです。
スプレッドとは「売値」と「買値」の差額のことですが、
FXのブローカーやトレード時間によってはかなり差がありますよね。
たいていの場合、国内ブローカーは低め、海外ブローカーは高めで設定しているようです。
そのスプレッドですが、実はバックテストではあらかじめ固定値を設定してテストができるんです。
そうなるとこんなことができちゃいます。
これはですね、先ほどのテストEAの2011年~2021年テスト期間とまったく同じなんですよね。
一か所だけ変えています。
もうお気づきだと思いますが、「スプレッド」が「35」から「1」になっていますよね。
スプレッドはいわばトレード手数料みたいなものですから、
それが1/35まで下がっていたら右肩下がりのグラフも右肩上がりに変わっちゃうんです。
ちなみにバックテスト上でのスプレッド表示は「ピプス」単位ではなく「ポイント」単位です。
スプレッドの数値が35ということは、3.5ピプスであり、1ということは0.1ピプスなんですね。
スプレッド0.1ピプスのブローカーはそう見当たらないですよね。
その4 グラフの見た目
ここまでチェックしていけば、あとは視覚的に判断できます。
グラフが右肩上がりならば、順調にテスト期間中に利益を伸ばしていったことになりますからね。
ただ、ここで気を付けておくことが一点あります。
こんなグラフのEAです。
なんか緩やかな放物線を描いていませんか?
下部にある緑色の「数量」グラフが右に行くにしたがって増えていますよね。
実はこのバックテストは「複利」で運用したものなんです。
複利運用とは、固定ロットで運用するのではなく、そのときの資金に対する比率でロット数を変化させていく運用方法です。
資金が増えればその分トレードするときのロット数も増えていきます。
ロット数が増えるともちろん、買った時の利益も増えます。
しかし負けたときの資金の減り方も半端なくなってきます。
複利運用のEAを使うときは、リスクも十分に注意して稼働させていくことをお勧めします。
その5 リカバリーファクターをチェック
最後にチェックすべき項目は、「リカバリーファクター」です。
なんとなく「プロフィットファクター」と言葉が似ているので間違えやすいですが、
計算式を見れば一目瞭然です。
- プロフィットファクター 総利益 ÷ 総損失
- リカバリーファクター 純益 ÷ 最大ドローダウン
プロフィットファクターはバックテストデータに記載されているのでそのまま確認できますが、
リカバリーファクターは自分で計算しなければいけないので少しばかり手間ですね。
しかしこのひと手間がとても大切なんです。
プロフィットファクターは単純に
「1より多ければ利益が残った」
という事実を表します。
リカバリーファクターは、テスト期間中の
「最大損失額(最大リスク)に対して、どのくらいのリターンが見込めるのか」
を表してくれます。
当然ながら、FXは投資なのでリスクが付きまといます。
そのリスクを背負いながら投資をするからにはそれなりのリターンが見込まれなければやってられないですよね。
そのリターンの効率を教えてくれるのが「リカバリーファクター」なんです。
リカバリーファクターに関してはトレーダーによっていろいろな考え方があるかもしれませんが、
私がEAを選ぶとしたら「直近10年間のトレードで8以上」を基準にします。
実際にEA開発にあたっても
リカバリーファークター 8以上
を目安にロジックの優劣を図っています。
まとめ
FXシステムトレードの必須ソフト【EA】について
その選択の判断項目について解説してきました。
この内容を参考にいろいろとEAデータを眺めると
また新しい発見があるかもしれませんよ。