月利、年利はEA性能を表すのか?

ゲコーです。

EAのとある販売サイトやSNSなどを眺めていると、EAのアピール文に「月利20%」とか書いているのを見かけます。

この「月利〇〇%」という表現は、EAの性能を表すのに最適な方法なのだろうか、と常々感じていました。

今回は、月利・年利、つまり利回りについて考察してみたいと思います。

 

利回りの計算

利回りというのは、投資額に対する収益額の割合のことをいいます。

 

その計算方法は、「利益額」 ÷ 「投資額」 ÷ 「運用期間」 × 100(%) となります。

 

たとえば、10万円の資金を投資して10年後に20万円になったとすると、10万円の利益なので、

10万円 ÷ 10万円 ÷ 10年 × 100 = 10%(年利)

となります。

 

 

投資の神様の年間利回り

年利10%が高いか低いかというのは、次のような指標を比較するといいかもしれません。

 

・投資の神様といわれる「ウォーレン・バフェット」氏の利回りは年平均して約20%である

・投資信託の平均利回りは、3% ~ 10% といわれている

 

このような投資の世界において、月利20%を謳うEAの世界は特殊なものなのでしょうか?

 

 

EAのバックテストから利回りを計算する

たとえばこちらのEA【Tulamben】は、私が自作してGemForex に出品しているものです。

 

 

  • バックテスト期間 2012年1月2日 ~ 2022年6月30日 (126ヶ月)
  • 初期証拠金 10,000ドル
  • 純益 17,304ドル
  • 平均月利 1.3%

 

同じEAをロット数を約2倍にしてバックテストすると次のようになります。

  • バックテスト期間 2012年1月2日 ~ 2022年6月30日 (126ヶ月)
  • 初期証拠金 10,000ドル
  • 純益 34,370ドル
  • 平均月利 2.7%

 

当たり前の話ですが、ロット数を倍にすると純益も2倍になります。

その結果として平均月利も2倍になりますよね。

 

ではロット数が大きければいいのでは?

 

という話になると思いますか?

 

これも当然ですが、ロット数が上がればリスクも上がるんですよね。

 

そのリスクは最大ドローダウンで示されているじゃないですか。

 

  • 前者 純益17,304ドルに対して最大ドローダウンが  981ドル
  • 後者 純益34,370ドルに対して最大ドローダウンが1,963ドル

 

 

EAの性能はリカバリーファクターで見る

つまりEAの性能は、「利回り」で見ると大きな落とし穴にはまってしまうんです。

 

見るべきは、「リカバリーファクター」です。

 

リカバリーファクターとは、テスト期間中の最大損失をどのくらいでリカバリー(回復)できるか、を表しています。

単純にいえば、リスクに対する利益の割合ということになります。

 

  • 前者 純益17,304ドルに対して最大ドローダウンが  981ドル リカバリーファクターは17.6
  • 後者 純益34,370ドルに対して最大ドローダウンが1,963ドル リカバリーファクターは17.5

 

同じEAなのでリカバリーファクターが(ほとんど)変わらないのは当然です。

 

目安として、10年のバックテスト期間でリカバリーファクターは10以上は求めたいところですね。